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*このワンポイントレッスンは、過去に日本のテニス雑誌に谷口コーチが掲載した文章の中から人気があったものを再構成して掲載しております。
〜ダブルス、究極の疑問に答える!〜
Q:コンビネーションがうまくいかないのは?
ペアのコンビネーションがうまくいく、いかないは、ダブルスにおける最大の問題だ。
コンビネーションが良ければ1+1=3にも4にもなるが、悪ければマイナスにもなりかねない。
コンビネーションを良くする方法は? そんな疑問にお答えしよう!
A:守るべき範囲を互いに把握し、ムダな動きを徹底排除!
たとえば、二人で前に詰めていて、そのど真ん中にボールが飛んできたらどちらがとるか?二人でとりにいったりしたら、それは当然ムダな動きだ。結局とるのは一人なのだから、もう一方のプレーヤーは返球に備えておけばムダはない、ということになる。
 
上図(図の位置要確認!!!)を見てほしい。自分がとるべきボールの範囲は線で区切った部分。まず、この範囲のボールはすべて自分がとる。そしてパートナーの範囲までは立ち入らない、ということを確認しておこう。
さらにそれぞれが前後左右で優先すべきサイドは、番号の通り。だから冒頭の問題の答えは、この図を見てわかる通り、Bのプレーヤーということになる。真ん中付近のボールは、Bのプレーヤーにとっては第一優先なのに対して、Aのプレーヤーにとっては第二優先だからだ(ちなみに、プレーヤーBにとって外側が第二有線なのは相手がここへ打つにはかなりアングルをつけなねばならず、困難。よってセンターを第一優先にした方が実用的だからである)。
こういった守るべき範囲を互いに知っていれば、二人の役割分担が明確になり、ふたりのコンビネーションにムダがなくなるのである。
 
A:二人がヒモでつながれているように動き、穴をなくす
サイドに振られて一方が動いた時、もう一方のプレーヤーも同じ方向に移動する。
ペアで同じように動くというセオリーは、皆さんご存知だろう。だが、それを実行しているのにも関わらず、ザルのように抜かれてしまうペアがいる。原因は、時間差である。
○のイラストのように、ペアが時間差をなくして同時に動けば二人の間に穴はない。ところが×のイラストのように、パートナーが動いてから自分も動こうとすると、二人の間に大きな空間ができてしまう。パートナーがサイドによるのを見てから「よっこらしょ」と自分も移動していたのでは、遅いのだ。その時間差が自分たちのコートに大穴を空け、相手ペアにとってはまさにザルのように感じられるのだろう。
先に述べた守るべき範囲の中で、二人はあたかもヒモでつながれたかのように同時に動かなくてはならない。これが鉄壁ペアになる方法だ。
二人が同じように動いているのに抜かれてしまうというペアは、一度確認してほしい。同じように動いてはいても、そこに時間差はないだろうか。

 
A:パートナーがしようとしていることを把握しておく
あなたがサービスを打ち、返ってきたボールに対してパートナーがポーチに出た。かなり大胆なポーチで、イラストのように自分のサイドまで突入してきたとしよう。この時点であなたが慌てて逆サイドへ走ったとしてももう遅い。視日ポーチがまんまと返球されたなら、きっとポイントを失うだろう。
こんなことを防ぐために、事前にパートナーが何をしようとしているのか、その作戦を互いに十分把握しておくことである。
パートナーがポーチに出ると分かっていれば、自分はサービスを打った後、すぐ逆サイドに走り出すことができる。さらに、サービスがサイドに入ったらポーチに出る、センターならステイ等、事細かに取り決めておくと作戦はより一層生きてくる。
互いに何をしようとしているのか、二人の作戦は何なのか、充分コミュニケーションをとっておけば取りこぼしがなくなり、二人のコンビネーションはスムーズにいくのである。

 

 
A:時々ではダメ。毎回コミュニケーションをとる
先に”コミュニケーション”ということを述べたが、これについてもよりよい方法をとるべきである。方法といっても話術を鍛えるとか、身振り手振りを交えるとか、そんなややこしいことではない。コンビネーションをよくするためのコミュニケーション術はいたって簡単。「ポイント毎に、必ずコミュニケーションをとる」ということだ。
時々ではダメ。ポイントをとろうがとられようが、毎回コミュニケーションをとる。ポイント毎に、作戦を伝える。次のプレーの確認をするといったことを話し合う。
常にコミュニケーションをとるには、ポイントごとに集まる場所を決めておくといい。たとえばパートナーのミスでポイントを失ったりすると、ミスした方も、自分も互いに近寄りにくくなるものだ。また、勝っているときでも押せ押せの雰囲気でいると互いにコミュニケーションをとることを忘れがちになる。そんな時、たとえば「ポイントごとに必ずセンターラインとサービスラインの交わるT字の所に集まろう」と決めておくと、必ずコミュニケーションがとれるようになる。
毎回コミュニケーションをとるという行為は、単純だが絶大な効果を発揮する。人間関係においても、ウマの合わない人間に対して挨拶だけでも毎回欠かさず交わしておくと、何とかやっていけるもの。押されムードが漂ってきてからではもう遅い。勝っていようが負けていようが、常にコミュニケーションをとることがペアの潤滑油になるのである。
 

谷口 勇美雄 プロテニスコーチ
 有限会社BTL代表取締役
日本プロテニス協会・アメリカプロテニス協会認定プロフェッショナル

日本のテニス雑誌では毎月のように登場し、技術指導はもちろん、テニスギアの評価レポートもこなす有名コーチ。

  その指導方法は『言葉を使って“教える”という手法を極力排除しながら、練習法をさまざまに工夫し、「できなかった人を、いつの間にかできるようにさせてしまう」魔法使いのような指導』と評判。テニス理論を完全に把握しながらも、レッスンではそれを語ることなく、巧みに生徒を導いてくれます。
 この指導方法は一般愛好家だけでなく、同業のテニスコーチからも注目を浴びており、実際に全国を回ってその指導法を紹介し、日本のテニスコーチのレベルの底上げにも一役買われている貴重な存在です。
 さらには、技術指導だけでなくラケットやシューズの鑑定人としても的確な評価眼を発揮しており、日本一テニスギアに精通しているコーチとしても有名です。現在、谷口コーチが行っている『ラケットドック』という業界初の新しいラケット選びの方法も、日本テニス会では話題になっています。